早速ですが、全国の旦那さんに質問です。
あなたの奥さまが妊娠したら食事や栄養に気をつけるのはもちろんですが、具体的に何がNGなのか、そしてなぜNGなのか、逆にどれくらいの量なら摂取しても良いのかご存知でしょうか?
今回は、妊婦さんの健康を守るために旦那さんが特に気をつけるべき5つのポイントをご紹介します。
妊婦さんの体調や気持ちは日々変化し、旦那さんのサポートが必須になります。
奥様とお腹にいる可愛い我が子のためにもぜひ覚えていってください!
アルコール
お酒が好きな方も多いと思いますが妊婦さんはアルコールの摂取はできません。
おもに母体よりもお腹の中の赤ちゃんに対しての影響が大きく、また、安全な飲酒量は現在のところ不明です。
妊娠がわかった日から急に約1年の禁酒が急に始まるわけですから、習慣的にお酒を飲んでいた方からすればそのストレスは尋常ではありません。
妊娠中は精神的にも不安定になりやすいので旦那さんも一緒にお酒を控えると、妊婦さんのストレス軽減にもつながると思いますよ。
【胎児への影響】
- 胎児性アルコール症候群(FAS)と呼ばれる発育障害や知能障害、精神発達の遅れ、顔面の形成不全などの症状が現れる危険性がある
- 早産や流産、分娩異常の原因になる可能性がある
【乳児への影響】
- 血液中のアルコール濃度と母乳中の濃度はほぼ同じになるため、妊娠中と同じような悪影響を及ぼす可能性がある
- 母乳の分泌を低下させる働きもある
【対策】
- 妊娠がわかった時点で飲酒をしないようにしましょう
- 妊娠前においても、アルコールが卵子や精子を傷つけることがあると考えられているため、妊娠を考えたときから飲酒を控えることがよい
【胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)について】
- FASの基準をすべて満たさない場合でも、アルコールが関与している神経発達障害や先天異常が見られる赤ちゃんの障害を総称して「胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)」と呼んでいます
- FASDには治療法はなく、唯一の対策は妊娠中の女性が完全にお酒をやめることです

出典:依存症対策全国センター
喫煙(受動喫煙)
タバコもご存知の方は多いと思います。
しかしよくあるのが、旦那さんが喫煙者で奥さまが非喫煙者のパターンや、里帰り出産で、自分の両親や義理の両親が喫煙者のパターンです。
さらに、タバコの先端から発生する煙(副流煙)の方が喫煙者が吸い込む煙(主流煙)よりも高濃度の有害物質が含まれています。
そのため、外でタバコを吸った場合は、服についた煙の成分が影響を及ぼさないよう、着替えや手洗いを忘れずにしましょう。
有害物質 | 主流煙 | 副流煙 |
---|---|---|
タール (ヤニ、発がん促進物質) | 1 | 1.2倍から10.1倍 |
ニコチン (ゴキブリの殺虫剤の成分) | 1 | 2.8倍から19.6倍 |
一酸化炭素(酸素の運搬機能を妨げる) | 1 | 3.4倍から21.4倍 |
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「たばこの煙と受動喫煙」
【胎児への影響】
- 血管収縮により血流が悪くなることで、低出生体重児や胎児発育遅延を引き起こす
- 口唇裂や口蓋裂、先天性心疾患といった特定の胎児奇形や先天異常の確率が高くなる
【乳児への影響】
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高くなる
- 喘息、糖尿病、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの影響を引き起こす可能性がある
【母体への影響】
- 妊娠高血圧症候群や常位胎盤早期剥離などの合併症を引き起こす可能性がある
- 早産や流産のリスクが高くなる
【対策】
妊娠中に禁煙すれば、その先の影響はなくなります。妊娠初期に吸っていても、妊娠3~4カ月までに禁煙すると、低体重児のリスクがたばこを吸っていない妊婦のレベルに近づきます。
また、妊娠超初期(妊娠が成立する前の受精から着床までの時期)に気づかず喫煙をしてしまったとしても、大きな影響はないとされています。
カフェインの摂取量
3つ目はカフェインです。
カフェインは完全に禁止ではないですが、1日あたりの最大摂取量を200~300㎎に定めています。1日200㎎とすると、コーヒーをマグカップで約2杯、紅茶約3杯、コーラ約2リットル、板チョコレート6枚に相当します。
また、最近ではカフェインレスのコーヒーが販売されていますので、そちらを使ってみるのも効果的です。
注:カフェインレスに似たもので「デカフェ」がありますが、こちらは少量でもカフェインが除去されていれば表記できるものですので、注意して利用する必要があります。
【胎児への影響】
- 胎児に必要な酸素や栄養が届かず低出生体重(LBW)のリスクが上がる
- 胎児の心拍数上昇・不整脈の可能性
- 神経発達への影響(ADHDのリスクなど)
- 鉄分の吸収阻害による胎児の貧血リスク
【母体への影響】
- 流産・早産のリスク増加
- 妊娠高血圧症候群のリスク増加
【主な飲み物のカフェイン含有量(目安)】
- コーヒー(1杯:150ml) → 約80~100mg
- 紅茶(1杯:150ml) → 約30~50mg
- 緑茶(1杯:150ml) → 約20~40mg
- エナジードリンク(1缶:250ml) → 約80~150mg
出典:アカチャンホンポ
生ものは控えめに

出典:https://hina-sushi.com/column_3
妊娠中にお寿司を絶対に食べてはいけないというわけではありませんが、好きなネタを好きなだけ食べていいというわけではありません。お寿司の食材の中には有害物質が含まれていたり、食中毒を引き起こす寄生虫などが生息していたりする場合があります。
【胎児への影響】
- 水銀(メチル水銀)による、胎児の神経発達の遅れ、知能(IQ)の低下、運動能力や言語発達の遅れ
【母体への影響】
- 食中毒のリスク(リステリア菌・アニサキスの危険性)
- 塩分の過剰摂取による妊娠高血圧症候群のリスク
リステリア症は妊婦が感染すると、胎児にも影響を与え、流産・早産・死産のリスクが高まるとされています。
また、妊婦のリステリア症感染率は、一般の人の約20倍高いと報告されています。
【避けるべきネタ】
- 生のマグロ・サーモン・イカ・タコ(寄生虫・細菌リスク)
- メカジキ・キンメダイ(高水銀)
- ナマモノ全般(妊婦の免疫力低下によるリスク増加)
【食べても大丈夫なネタ】
加熱されたネタ
- 蒸しエビ・茹でタコ・茹でカニ
- 煮穴子
- 煮ホタテ
水銀含有量が低い魚
- サーモン(加熱したもの推奨)
- サバ(焼きサバ寿司など)
出典:厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」
ストレスを減らすサポートをしよう
妊娠中にストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れてさまざまな不調や、胎児の発育にも影響を与える可能性があります。
妊娠中に感じるストレスの原因としては、ホルモンバランスの急激な変化、体の変化への戸惑い、出産や育児への不安、サポートしてくれる人がいない、などなど…
大切なのは夫婦の問題としてお互いに歩み寄ることです。
旦那さんも会社の飲み会や旅行は相談した上で行ったり、育休や助成金の制度などのことも話し合って先々の見通しを立てておくことで、奥様の金銭的な悩みや不安を少しでも取り除くことができます。
【胎児への影響】
- 胎児の成長に必要な酸素や栄養素が十分に届けられない
- 胎児の胎動や心拍が減少
- 慢性的な子宮収縮や子宮への血流悪化による栄養不足
- 早産や低出生体重児の確率が上がる
【母体への影響】
- 頭痛
- 便秘・下痢
- 動悸・めまい・立ちくらみ
- 腹痛・吐き気
- 倦怠感
- 不眠
まとめ
妊娠中は、奥様の体調や気持ちに寄り添い、できる限りのサポートをすることが大切です。
また、「自分は妊娠していないからわからない」ではなく、生まれてくる我が子のために二人で歩んでいくことが必要です。
今回紹介した5つのポイントを意識して、夫婦で楽しいマタニティライフを過ごしましょう!
妊娠期間は長いようであっという間です。旦那さんのサポート次第で、妊婦さんの負担が大きく変わります。ぜひ、この機会に一緒に生活を見直し、赤ちゃんを迎える準備を進めていきましょう!
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